winで割当したLogicool G300sをmac(Big Sur)で動かすびぼーろく
※今回のは、あくまで「winで割当したlogicool G300sをmacでも動かしたいひと向けの備忘録」です。
Macしかない!!ってひとはがんばれ。インターネッツの智慧に頼ろう!!!!!!
winだけのひとは問題ないのでスルーして、どうぞ
毎日続くスプシとヘイシャシステムとの反復横跳び……コピペからの検索……
commmand+c,v及びreturnのための左手酷使、また押し間違えによるミスではるりのストレスはマッハ……
そうだ、ゲーミングマウスつかおう
とりあえず
手頃で安いlogicool G300sを(アマゾンで約2000円)を購入。
ボタン割当でワンタッチコピペを試みる!!!!!!
ありがとうゲーミングマウス!!!
お前でゲームはしないが事務作業の犠牲となってもらうぞ!!!!!
まず
マウスが家に届いたので、オンボードメモリに下記割当をまず私用winで記録。
Logicoolゲームソフトウェアで記録できるよ!winならね。
G7 ctrl+c(copy)
G6 ctrl+shift+v(paste)
G9 enter(return)
これやっとけば、右手だけでコピペと検索までまるっとできるよ!やったね!……というつもりだった。。。
いざ実戦
ウッキウキで社用に接続。
WinとMacの違いからか、なぜか社用macではうまくショートカットが動かず。
でもなぜかcommand+cだけ反応した。なんでや(なんでや)
一旦macで改めて再割当を目指す
本来このG300sに割当するはずのlogicoolゲームソフトウェアが、なぜかmacに入れてもうまくインストールされない(????)ので諦め。
Logi optionsという先程とは別の純正割当ソフト的なものもひとまず導入するが、Big SurだからかG300sが旧型だからか、まずマウスを認識しない。
ぐぐったらmacで苦しんでるひといっぱいいた。
クソが代……………
一旦自宅へ持ち帰り、私用winにて再割り当て。
Winではやっぱちゃんと認識されてる…なんでや…
翌日改めて社用macにてお試し。
右側ボタンやっぱ、し、しんでる……ショートカットが動かねえ……
恐らく内部でcommandとctrlの読み違えが起きている可能性に気づく(もっとはよ気づけ)。
解決すっぞオッラーン!!!
先人の備忘録を参考にkarabiner-elementsを導入
【先人の備忘録】
【karabiner-elements】
まず、karabiner-elementsをインストールするとついてくるkarabiner-event viewerにてボタン割当を確認。
左側のG4G5やスクロール等は生きているが、右側のG6G7はそもそも一切反応なし。
マウスを挿し直しても反応なし。どうして……(スクショするのわすれちゃった)(一切反応がなかったのは本当によくわからない)
備忘録を参考に、とりあえずkarabiner-elementsにてleft_controlをvk_noneにしてcontrolの入力をころす。
そしたら挿し直したりしたことで接続がちゃんとできたからか入力ころしたからかわからないが、ビューワーでG7でc、G6でvが単体入力されるように。
(これもスクショわすれちゃった。えへ)
……やっぱり、内部でcontrol+c , vになってるんじゃない???
…………もしかして、left_controlをleft_commandに変更したらちゃんと入力されるんじゃない??????
karabiner-elementsにてleft_controlをleft_commandへ読み替えるように設定。
変更
karabiner-event viewerにてもう一度確認。
無事に
G7 command+c
G6 command+shift+v
G8 enter(return)
になりました!!!
【わかったこと】
- winでオンボードメモリに記録した割当はmacでも一応反応する
- winで割り当てたものをmacで使おうと思うと、ctrlとcommandの読み違えが起きてショートカットがしぬ
- Karabiner-Elementsにて、From Key:left_control→To Key:left_commandへ読み替えさせるだけでショートカット復活
- やったねたえちゃん、マウスがふえたよ!!!!!
おわり
今度こそ真面目にエヴァの感想を書くことにした。
エスです。
昨日はネタバレに配慮して内容を全く書かなかったので今日はちゃんと触れていきます。といっても先に書いたのはこっちの方なんですが。
エヴァを見てきました。
一切の感想も見ずに今この文章を書いています。
自分は小学生の時に友人に勧められて見たエヴァにどっぷりハマり、人生を踏み外しました。そこから高校、大学の途中までほぼエヴァに浸かって過ごし、考察から二次創作まで思いつく限りのサイト巡りをしていました。今でもブックマークに入っているサイトもあります。拙いながら自分で書いた二次創作もそこに置いてあります。懐かしい……すべてが懐かしい……
通じる人にだけ通じればいいのですがLRS派です。
今作、正直そんなに期待はしていませんでした。
序破でこれは! と思ってQで梯子を外されてしまったので、旧劇のときみたく投げっぱなしのデカい問いをぽんと渡されてあとは自分で考えろってされるのでないかという思いがあり……どちらかと言えば青春時代の残滓、或いは呪いを拾うつもりで見に行きました。
幸いネタバレは踏まず(というかおっさんの膀胱事情しか流れてこなかった)、まっさらな状態で視聴に臨めました。
■対話を拒否し続けたTV版と、対話を選ぶことのできたシンエヴァ
シンエヴァにおいて目立ったのは、それぞれがちゃんと対話をしていたことです。あたりの強いアスカですら自分の思っていることを言語化して相手にぶつけることができているように見えました。大人になったトウジやケンスケにヒカリはもちろんのこと、Qでは対話を拒否していたヴンターのひとたちも(シンジに対してだけでなく)自分の思い/考えていることを相手に伝えようとしていました。エヴァに乗ろうとするのを止めようとしたピンク髪のクルーや鈴原サクラも拙いながら自分の言いたいことを言えているという印象を受けました。それも、クライマックスシーンはゲンドウとの対話だったからと考えると納得です。
かつてTV版は誰も対話をしようとせず、各々が自分の内心にしか意識を向けず他者を拒絶していました。ヤマアラシのジレンマの通り針で傷つけあうことしかできない世界でした。自分の思っていることは誰にも伝わらず、誰からも伝えられず、絶望と拒絶のATフィールドを消し去る虚無の人類補完計画が行われようとしていたのです。
実際の描写においてもTV版の補完計画は諦め/絶望/虚無といった色合いが濃く描かれているように思います。
シンエヴァにおいて、彼らは/私たちはついに対話を行います。ATフィールドで拒絶するのでもなく、境界線をなくして溶け合うでもなく、ATフィールドから手を差し出してつながる世界。不器用に「あなたと仲良くしたい」とおまじないを唱える世界。
ゲンドウやリツコ、ミサトを含む全ての子供たちが大人になっていく物語。
成長と対話。この答えを我々は何年間待っていたのでしょうか。
庵野監督自身、旧劇で大きな問いを投げたときは答えが出ていなかった、もしくは言語化できていなかったのではないかと思います。「それでいい」でも「これじゃあだめだ」でもなく「これでいいのか?」という問い。その答えが劇中になかったからこそエヴァは社会現象になり、考察や二次創作は盛り上がったのです。
そしてその答えが出た。出たからこそ庵野監督はエヴァを終わらせた、いや、終わらせるために必要な答えが出たというほうが正しいのでしょう。
子供たちは大人になり、他者と歩み寄って現実に還った。君たちも現実に向かう時が来た。そういうことなのでしょう。
■マリについて
イスカリオテのマリアという別名の情報が出てきましたが、イスカリオテというのはイエスキリストを裏切ったユダを指し、神(の落とし子であるエヴァ)への裏切りを意味します。
マリアの方は二つあり、一つはキリストを処女懐妊した聖母マリア、もう一つは元娼婦(諸説あり)であったとされるマグダラのマリアでしょう。「どこにいても見つけ出す」「迎えに行く」と言う姿は新世紀の聖母のようでもあり、他方で他者への誘惑を行い唆す姿は娼婦にも見えます。またアダムとイブに知恵の実を食べるよう唆し、人間を神の庇護から離れさせようとする蛇/悪魔を見るのはすこし考えすぎでしょうか?
マリだけは現状を楽しんでいます。どんな状況に陥ってもそれなりに楽しんでいるように見えます。「私はこうするけど、あなたはどうする?」のスタンスが常にブレない。最も現実に足をつけた生き方をした、エヴァの特異点たる存在。
マリはかなり安野モヨコの影響があると思っています。
そも、レイは母親、カヲルが父親、アスカが初恋の人、マリが今カノだと思うんですよ。
自分のことで精いっぱいだった子供時代が終わって、他所からやってきたものとくっついて外に向かって走り出す。これ、まんま庵野秀明と安野モヨコじゃないですか?
安野モヨコの作品はいくつか読んだことがありますが、あくまでも現実に足をつけて生きている人間たちの作品を描いているように思えるんですよ。特に今作で思いだしたのはラブ・マスターXの最後のシーンです。
■そんなことはさておき
ここからが俺の言いたいことの本番なんですよ。いいですか。
冒頭でも書きましたが私はLRS派です。レイがどのように幸せになってくれるかに青春時代の大半をつぎ込んだんですよ。それが今作はどうだ?
最っっっっっっ高にかわいい綾波が見れたんですよ!!!わかるか? おいシンジそこでヘタってる場合じゃないだろ綾波レイを見ろ!!!!!!お前が見てないところで!!!!!!!!!レイが!!!!!!あんな表情を!!!!!!!!お前に!!!!!!!!!見ろ!!!!!!!!!!!!!!!!でもちゃんと最後名前を付けようとしたところはめちゃくちゃに褒めてやるからな!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
最終的なところについては映画としては解釈一致、それに文句はありません。だがしかぁーし! それでも俺はレイとシンジにくっついてほしい! くっつけ! 幸せになれ!!!!!!!!二次創作でろ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
それでですね、LRS派の大半はLAK派でもあるわけなんですが(やや語弊)、今回ケンスケとくっついてますよね。でもそれはそれでアリなんですよ特に今回の展開なら。マリとシンジがくっつくのに納得するくらいにはアリです。
それはそれとしてぇ!!!!!!!!!LAKは俺が見たいから書けェ!!!!!!!今回何の接点もなかったぞオイ!!!!!!!!!!!
数多のサイト巡りをしてきた自分が改めて言いますが、もっとLRSとLAK持って来いやオラァン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!お願いします!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
エヴァを見終わったのでその話でもしようかと思う
エヴァとの出会いは遡ること20年ほど前のこと、友人に勧められて見たのがきっかけでした。クリスチャンホームの出で聖書の知識はそこそこあっただけに、それらを題材にとった作品は新鮮で、すぐにハマって考察サイトや二次創作を漁り始めたのが人生を踏み外す第一歩でした。
まあそんな感慨深さもありつつ、今回見に行ったわけですよ。
(以下ネタバレ注意)
やっぱやめて川島さんの話します。
サイコミのAfter20あるじゃないですか。あれの無料回の最新が川島さんの回なんですよ。
読んでください。お願いします。というかお願いしなくても読め。
無理だと言われても自分の「やりたい」にまっすぐ挑んでいく姿と、それを見た周りが勇気をもらえること、最高に川島瑞樹を感じられるので。
あ、エヴァの感想は次のブログ更新で投稿します。もう書き終わってるので。
川島瑞樹アンソロand2の気に入った作品を抜粋したいと思った
エスです。200日ぶりの更新です。毎日更新したりしなかったりとか書いてるのは何なんだ。
今日は川島瑞樹合同2の話をします。話をするというか気に入った作品をざざっとレビュー? 感想?を書いてくだけですが。
・ちがうもの、ちがわぬもの(くぜ)
初手配置の小説がSF(すこしふしぎと読む)なの、合同誌全体の構成としてこだわりが感じられる。SFとしてもいいし、大サバを読んだり機転を利かせたりする川島さんもいい。読後感のある〆がまたよく効いている。
・柚と瑞樹と冬の窓(Rapha)
Raphaさんついに柚をお出ししてきましたね……という気持ちになった。文体とフォントも相まって、少し幻想的というかノスタルジックな雰囲気を漂わせつつ映像が目に浮かぶような文章になっている。
あと前回の合同誌もだけどライブシーンをちゃんと書くのすごい。
・ギバシス・ペルシダ(あおきみず)
場面の切り替えがめっちゃうまいと思った。転換→情景→心理描写、の切り替えの自然さは随一の書き手。
あと28歳組のどういうところに惹かれているかがめちゃめちゃ伝わってくる。
・明日のヒロイン、本日誕生(上岡 陣)
「過去に会ったことがあるアイドル」というネタでユッキを選ぶセンスがずば抜けている。最後にネタ晴らしするのもらしくて良い。
・川島瑞樹と樋口円香(あんぱ)
今回の合同誌一題材の選び方が素晴らしかった作品。モラトリアムの塊みたいなノクチルに在って最も大人の振りをした割り切れない子供である樋口円香を、最も大人でありながら大人であり続けることを辞めた川島瑞樹にぶつける。組み合わせの時点で大勝利すぎる。
最後の主張こそが肝なんだけど、この肝の臭みをなくすための前フリとキャスティングがうますぎる。今回のMVP。
・男装執事 川島瑞樹・早坂美鈴・及川雫による全力おもてなし(マクラツム)
Pがちょいちょいこれ本人の心の声だろっていうのがあって面白い。
思考が完全停止する楓さんのところめちゃめちゃノリノリで書いてるのが分かる。男装川島さん……いいよね……
あと奇跡的にミギさんと題材が被って実質挿絵がついたのめっちゃ羨ましい。
・ヒーローvsデビル☆ミズキ・後編 ~決斗!瑞樹対ミズキ~(おうじ)
頭が悪いすぎる……これは一回リジェクト食らいますわ……
あんぱさんのとMVP争いをした迷作。~前回のあらすじ~じゃないんだよ!前回どこや!
これを一切の照れもなく書ききれるのは本当にすごい。ここまで振り切っていいんだっていうのもありつつ、ちゃんと作品として面白いのがすごい。こういうタイプの書き手って結構滑りがちだったりするんだけど、そこをちゃんと理性を飛ばして思い切りよく書きたいことを書けているのが素晴らしい。
・永遠に、永遠に(さらすぱ)
「過去に会ったことがある」系その2。清々しいほどまっすぐにテーマを直接書くのはさらすぱさんならではで、ちょっと青臭いところがウサミンと噛み合ってとても良い。
・secret track(アルナシモノコ)
いやーやっぱり最後はモノコさんで〆しかない。「小娘なんかには負けない」をこう扱ってくるとは……脱帽。
ほぼ小説メインでざざっと書きました。ここに載ってないのも最の高なのでぜひ皆さん買ってください。メロブで通販してください。わかったか?
・Fifteen years after(エス)
自作なので除外しようかと思ったけど今読み返したら普通に好きだったので書いちゃう。
巴ちゃんを書くのは決定事項だったので、じゃあどういう話にしようかと考えたときに真っ先に決まったのは「川島さんを出さないこと」だった。川島さんを直接描くよりも、他人から語られる川島瑞樹の方が自分の描いていた川島瑞樹を語れると思った。
以前小説を書いていた時はまず設定などを詰めてから書き出すスタイルだったのだが、これに関してはかなりパッション先行で思想が強めに出ている。あまり押し出すと臭みが出てしまうのでそこに関しては気を使ったつもりではあるが、どう受け取られるかはわからない。
発想の元は、GaGコミュ5話を見終わった川島Pたちで通話していた時に「28歳になった巴ちゃんはどうするんだろう」っていう話がちょろっと出たことが発端だった。思えばその時にほぼ作品の元はできたと言っても過言ではない。
余談だが、TLのタロット企画でちょっと話が被って焦っていた。
あとはPと巴ちゃんをメインに据えて、見切り発車で書きだしたら川島Pが生えてきて着地点が自ずと決まった。完全に無計画で書いたが、川島Pの曲者感が巴Pを引き立てていたりと納得できる仕上がりになってくれて良かった。
以上です。自作に関してどこまで語っていいものか分からないので色反転しておきますね。スマフョ環境では見えなくなってますが、普通に見えちゃってる人は見ないふりをしたりしなかったりしてください。
関西アイマス合唱部収録の時の話5
前回まで:音源1本目の終了時間と発声終了時間を取り違える勘違いコントが発生
関西アイマス合唱部収録の時の話4 - ザ☆シュビドゥヴァーズの日記
時刻:午後2時
「あっわかりました、飛ばして終わらせます。あんまり言うてもしゃあないんで」
お互い伝達に不備はあったでしょうが、今はそんな事を気にしている場合ではありません。
時間がない。指揮進行もそれは同じ。発声を最速で終了出来る様即応してくれました。
「今の所までチェック、そのまま最後までいきます」
「「はい!」」
「2時5分には終わらせます」
D「大丈夫です」
既に余裕のなくなっている私に代わって即フォローを入れるディレクター。
そして指揮者の指示と、応じるメンバーの切り替えは見事なものです。
アイマス合唱部@関西は広く団員を募集しているだけあって、もちろん初心者の方も多くいらっしゃいます。みんなで楽しむ空気が伝わってきて、でもそれだけではない、しっかりと統制の取れた「合唱団らしい」動きをしている所が感じられます。@関東の雰囲気とはまた違う頼もしさでした。
第5回「1テイクは2秒で死ぬ」
「…多い。」
机を埋め尽くすヘッドホンアンプ。いつの間にか持ち込まれているカラーボックス丸々一個分の装備と、コンデンサマイク。
事前に出していた関西勢への機材支援要請に応えて用意された機材の数々。
確かに要請はした。コードが何本か足りない可能性があったし、アンプももう一個あれば余裕あるかな、なんて。それで助け舟をお願いはしてあった。あったが…
なんというか、助け舟を呼んだら空母が来た。
うれしい誤算だったのですが、事前に頼んでいた協力メンバー(や頼みもしないのに車一台分の機材を満載して来たメンバー)のおかげで事前に危惧していた機材リソース不足は完全に解消されました。
それだけではなく、自前で機材を使うメンバーは知識もあり、私やディレクターの指示を周りに広げてくれます。
「ちょっとそっちに寄ってあげてね」
「仲良くそのコードをペアルックしやがってください」
「テナーの高低、どっちのマイクに声を入れるか確定しといてくださいー」
急いでモニター環境を整えます。
D「こっからの録音スケジュール、1テイクあたり45分です!」
「10回歌えます!逆に言うと10回しか歌えません!」
「充分充分!」と歌い手側からの声。
まだ収録は始まっていません。つまり、まだメンバーは「レコーディング」のイメージを持っていません。
確かに一般的な合唱の収録は殆どが通しで行われ、10回も歌うことは少ないでしょう。
ですが、今回は違います。
ミスは、即死です。
誰か1人が1音間違える、或いはコンマ数秒のズレ、そんな、通し録音では到底拾いきれないミスの全てを許容せず、妥協せず組み上げる。それが今回の録音です。正確さも、表現も、自分たちが気に入らなければ1パート、1音まで分解してでも納得のいくものにする。わざわざ持ってきた大げさな装備と私の技術は全てそのためにあります。
「なので、ミスったと思ったら即止めてください。手を上げても良いですし、或いは大声で叫んでください」
「どうしてなんだよ!!なんでなんだよ!!(大声)」
D「…くらい長くなると、それはそれで時間を消費します」
KJ「これだけ人数いるので私結構気づかないです。目立ってください」
収録が本格的に始まっていきます。
ここから収録ハイライトです。
take2
「男声二回目のpaが遅いです」
「私ですね!」
D「タイミング合わなそうだったらクリック大きくしてみてください。どんだけ歌ってもクリック音だけは耳に刺さってくるのが理想です」
take7
「3回録るんで、リズム音程意識してください。表現はあとのテイクでどうにでもなります。」
「17小節、今ソプラノがズレた」
「男声、4分音符スタッカートでバシッと切るくらいでええと思う」
「クリックを倍の細かさに変えられる?」
(クリックを4ビートから8ビートに変更)
take12
「はいりづらっ」
「それでもまだ頑張って男声が走ろうとしてる」
「4ビートに戻します。心の中で数えていきましょう」
「男声は2拍目のところから早く入ろうとするからそこ注意して」
take13
KJ「はいそこで打ち合わせしてる人!喋ってるのマイクに入ってます!リテイクです」
「すません!」
「なんか4小節からかっちりハマるようになった」
「ペーパーノイズ(譜面めくる音)どうですか?」
「あの…あれ…声優さんがめくる時の感じで!」
この時点でテイク10を過ぎていますが、まだ前半1/3どころか、その中の難所の前です。
そしてこの後から、ようやく難所前、始めのセクション完成が見え始めます。
take14
「ドレスルームの中、輝いてるのよ♪」
「止めまーす」
「今のいい感じじゃなかった?」
「一箇所気になったけど、1テイク目ならいける」
「最後だけ気になった」
「じゃあ直前の小節からスタートしましょう」
「ここの音気になるんですが弾いてもらえます?」
「8だけテノールバスで録りなおしすれば良いんじゃないすかね?」
「8のテナーベースだけとりまーす」
「べんりやなあ」
「なので、ソプラノアルトは(こいつら下手やな)って思ったら手あげてください」
女声「あげっぱなしになる(辛辣)」
take15(TB)
「あってる?」
「あってる。しってる。この音知ってる」
「じゃあ20小節行きましょうかー。ちなみに、現在2時35分。残り10分。まだ前半です」
D「理論値なら3回5分で録れるから大丈夫」
一通り始めのセクションをとり終え、だいぶテンポが掴めてきました。
さて、ここからが難所です。各パートが8分で「papapapa」と繰り返すリズムセクション。音程、タイミング、発声のどれがほんの少しズレても非常に目立ち、事前練習の音源でも完成された状態は聞けていません。
take18
指揮「ここからが難所で何テイク録るかなんですよね。ここ越えたら大丈夫なんです。」
take20
D「覚えてて下さい。今日の録音はメトロノームが“神”です」
指揮「だから僕は今日指揮振ってないです」
take23
「45分までに揃わなかったらパート別にとりましょう」
take24
(うつむき加減に手を挙げるテナー)
「えっ?どうしたの?そこ手なんか上げて(煽」
「惜しかったねー途中まで良かったのにー(煽」
「あー今の行けたと思ったんだけどなー(煽」
「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い(戦犯」
「どっかのテレビ番組状態になってきたな…」
「『NGテイク2』みたいな」
撮影「あっこれも全部撮ってるんで」
「ヒィー」
「素材になる」
「ジャッキーチェンの映画みたいや」
「MAD素材やん」
「フリ素だ!フリ素!!」
take25
「すいません歌詞間違えました…」
「今のとこ歌詞Paしかなくない!!!?」
「むしろなんつったんすかw」
take26
「この次うまくいかなかったらパート別にとりますか」
「改めて聴くと走るな―」
「走った後に待ってるもん」
「待つな」
take30
KJ「まだもっと正確にはなるんだけどね」
D「ただまあ時間と練度の関係上これ以上は厳しい」
「せやね」
KJ「ちょっと30秒くらいもらってもいいすか」
D「あっ来た」
「すげえな切り抜いて一部だけずらすぞこれ」
「おお合ってきた」
「かがくのちからってすげー」
「ここのベースだけ取り直しますか」
「まあこれなら」
「オッケー出ました」
僅か8秒に満たないリズムセクションですが、15テイクを費やし、微調整も加えて形にする事が出来ました。
D「ゆーてこれは1テイク目です。声自体は2テイク目3テイク目の方が良いやつが取れます。今録ってるのはガイドボーカルみたいなやつです。」
「なのでリズムと音程をめっちゃしつこく言ってるっていう」
KJ「さっきの編集で若干今の所の音質は落ちてますが、あとのテイクで頑張れば大丈夫です」
take35
「どしたの手なんか上げて(2回目」
「『もんだいよ』のとこ『もんだいね』って言っちゃった…」
「あざとい」
「もう一回!もう一回チャンスをください」
「あと一回やぞ!」
take37
D「あの、ベース、もうちょっとかっこいいベースが聴きたい」
指揮「あ、昨日それ言ってみたら」
D「はい」
指「不気味社さんみたいになったんすよ…」
「確かにかっこいいけどな!」
指「そう、いいんやけど僕が狙ってたかわいい系のかっこよさとはちがった」
D「ちょっと違うけどイメージ真!」
「あーもういけるわ。もうわかったわ。いけるわ」
take38
「最後の音だけ!最後だけとりなおし!」
take40
「いいやん!」
「これで通しでちょっと流してみますね」
あとから音源を遡ると、無音の空間に漏れるクリック音と全員が譜面をめくる音だけが響きます。数十人メンバーが居て、誰一人集中を欠く事のない張り詰めた空気。見ている私もつい緊張してきます。
「一部だけやねアルトは」
「いやもうボカリズが全部だめ」
「うちのパートのここがって言うのがあったらこうそう手上がってるそういう」
ここから、パートごとの取り直しです。
「正確さ」が全て。気になった部分を徹底して追求する。
それが収録全体の基準となる、1本目音源の録音です。
D「テナー!気になる所を1箇所!」
テナー「いや、直したいの2箇所くらいありますね…」
D「言って良いのは1箇所(圧)」
~修正後~
D「テナーすぐ終わったから後一箇所言っていいよ」
KJ「何の権限w」
D「え?タイムキーパーの権限」
「楽譜おいて。絶対に楽譜に!向かって!歌うな!」
(全パート修正録音完了)
D「テイク1終了です!お疲れさまです!」
「45分オーバーです。」
「本当に時間がないので25分までは休憩『しても』いいです。」
5分休憩です。
「一回外の空気吸ってきたほうが良いよ!」
各々がトイレや外に休憩しに行きます。
あと2時間。休憩、撤収、部分的なとりなおしを除くと、残り2テイクに純粋にかけられるのは、その半分。
必要な音源はあと2本、マスター2テイク分。
残り時間は、あと1時間。
関西アイマス合唱部収録の時の話4
前回まで:ギリギリ15分位の猶予で当日使う機材の足りない分を調達成功。関西へ。
関西アイマス合唱部収録の時の話3 - ザ☆シュビドゥヴァーズの日記
当日
一瞬しか眠れなくても、不思議と本番当日って身体はスッキリ動くもの。
収録の時のプレッシャーは、一人の演者として出るコンサートの比でないのですが、その分楽しさも強いです。
朝6時の電車で東京に出て、新幹線で大阪へ。
寝過ごすと完全アウトなのぞみ号博多行きの中で爆睡し、フラグを回収することなくお昼前くらいには吹田に到着、駅前で食事していた関西勢と合流して、吹田市民館へ。
この駅から会場への移動でキャリーケースの車輪が壊れました。この日のために買った新品です。敗因は分かっています。機材やケーブル総延長100m以上、30kg近い荷物を詰め込んだからです。ハードケースとはいえ、あれはふかふかしたお着替えとかを入れる為のもの。納入2日目にして壊れたキャリーケースは不良品のレッテルを貼られて(何故か返金処理が通った)返品されていきました。ごめん。金塊の密輸みたいな事して悪かった。
吹田市民間に合流、皆様にご挨拶して、打ち合わせしつつ今日の予定を確認します。
が
「すいません、今日休日で5時以降は施設取れませんでした」
「…!」
再び緊張が走る録音班。
2日前の打ち合わせで、午前中が取れなかったのに加え、顔パスでなんとかなるはずだった5時以降も施設が使えない事が判明。初期の「午前発声、午後から収録開始して夜枠まで」が「全部含めて午後~5時まで」に大幅に短縮される事になりました。
第四回「それは1テイク目の終了時間」
市民館について、搬入が終わって12時半。
まずは発声練習です。この段階ではマイクスタンドがごちゃごちゃ立っていると邪魔になるだろうということで、死角でセッティングを進めることにしました。スタンドを立てる以外の配線や機材、パソコンのセッティングを組んでおき、終わり次第立てていこう、という算段です。
事前の目論見としては、1~1時半には機材セッティングを終わらせて収録スタート。そこから遅くとも2時15分までにベースとなる1テイク目を仕上げたい。最短45分。しかしこれはあくまで理想値で、条件によっては1テイク目の完成には3時間以上要する事もザラにあります。出来る限り速くセッティングを済ませて、少しでも時間を多く確保したい所です。
幸い、ディレクターを始めとした歌い手以外のメンバーが手際良く動いてくれたおかげで、発声が終了する1時半には、録音側のセッティングが大方完了しました。
あとは、歌い手の皆さんと一緒に手持ちのヘッドホンを繋げてもらい、モニターの配線を通して準備完了、休憩が終わったら録音開始です。
と、ここで
「もう一度全パートをシャッフルして2~3回確認したい」
と要請が。
予定上では既に収録開始時間です。これがシュビの収録であれば「そんなのいいから早く始めさせろ」と押し切る所ですが、合唱団には団それぞれの流儀があります。初めての場所ならなおさら、うまい事すり合わせて進行するのも、重要な要素になって来ます。
まあ数回通すくらいなら大丈夫か…。その間にマイク立てて調整しとこう。そんなに作業量無いけどやらないよりマシだし。
ディレクター「では2~3回通して、そのまま収録で」
練習が再開します。
ところが、確認がやけに入念です。
全てのセッティングが完了しても、まだ終わる気配がありません。
1時40分。50分。
私もディレクターも若干イラついてきます。
1時55分。…2時。
…1テイク目の猶予が1/3を切る。もうこれ以上待てない。
「こちらの準備は出来てるので」
痺れを切らして声をかけます。しかし。
「あと15分ありますよね」
…!?
何かがおかしい。
「2時15分までですよね?1時半から45分って聞いてたんでそれに合わせて…」
「あっ…ちがいます…」
――しまった。
「それは、1テイク目完成までの時間です」