ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

毎日更新されたりされなかったりする日記

関西アイマス合唱部収録の時の話3

前回までのあらすじ:収録時間が足りない問題を解決したかと思ったのも束の間、提示された激しいパートバランスに凍りつく私と機材支援担当。

 

関西アイマス合唱部収録の時の話2 - ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

 

対処猶予は、残り1日。

 

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前回ブログでのアシスタントとのやり取りと並行する金曜夜20時半、シュビ内部ライン。

「春アニメ動画出来ました」

可能ならこの土日でアップしたいところですが、如何でしょう」

「マスタリングしなきゃ…」

この一週間前、シュビは春アニメの収録を終えており、音源・動画完成をもって動画アップロードの予定でした。しかし@関西収録を目前にした私は一週間の間忙しく、音源はまだ素の状態のままだったのです。普段よりかなり早く動画が上がって来た事で、タダでさえ時間のない遠征録音前日の一日でマスター音源を上げるイベントが発生しました。

「明後日は大阪行って関西アイマス合唱部録ってます。今日この後も用があるので明日中に出来るかどうかはちょっと微妙です。すいません。出来るだけ早く上げます。」

「明日は暇なのでなんなら古城邸に殴り込めますが」

「マスタリング教えてもらいたみある」

「手伝いならいけます」

 

「う、うん(なんでみんな明日ぼくが休みの前提で喋ってるんだろう…)」

 

解説をするエス「こういうところがブラック合唱団といわれるゆえnアッハイ、シュビは実際ホワイト合唱団、欺瞞は一切ない」

 

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一切ない



 

というわけで大阪行き前日、土曜日。

シュビメン3名が私の家に来て編集者が逃げ出さない様監視マスタリング音源チェックを一緒にしてくれる事になりました。



第三回「周辺機器は無性生殖で増える」

 

昼に私の家に集合し、大ざっぱな流れを説明しながらマスタリングを行うこと3~4時間。メンバーの協力もあって作業は順調に進み、無事、ある程度の形が出来あがりました。残っている細かい質感の調整等は話しながらでは出来ないので、今日はここまでとして一段落することに。

 

時間は夕暮れ時、まだメンバーの帰る時間までには余裕があります。

「明日の機材チェック手伝ってもらってもいいかな」

 

なんとか一人で運べる量とはいえ、今回はそれなりに規模のある録音。

マイク、コード類を含めると全体では相当な重さと体積になります。

特に今回は大人数の同時収録です。全員のヘッドホンに対してモニタリング音声を返す為の機材もまた、それなりの規模になります。せいぜい多くて10人程度のシュビ向けの機材では、とても対応出来ません。前日に動いてくれていたアシスタントの計算を元に、みんなで対応機材を確認していきます。

 

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アシスタントによって整理された配線図。これはパンダ(私)には出来ない



 

「こっちでHアンプ3基、ミニ分岐が6」

「私も手持ちで1基、それからさっきTwitterで@関西メンバーからもう1基協力取り付けました」

「ゲイン(出力)心配だけどスプリッタで一応人数分の出力数は確保できる」

「Aが3人なのでSと同じように2分岐させて、あと1人は標準径ジャックで分岐させたらTと根元の方から分けられるので楽かなとか」

「それでいこう。IFにアウトが2つあるから分岐の節約になって助かる」

「よし、ギリギリだけど一応足り、」

「そういえばPJ足ります?」

「あっ…」

 

ここまでの調整で、なんとか人数分のヘッドホンを挿せるだけのジャック数は確保できていました。通常、このジャックから延長コードを伸ばして全員の立ち位置まで音声を送ります。シュビドゥヴァーズでは大体3mくらいの延長コードを使って、伸ばした先でメトロノームやカラオケを聴きながら歌います。

しかし今回の人数は30人。ズラッと並んだ時の事を考えると…横幅が長い!

手配していた延長コードではどうしても一部だけ足りない事がこの時に判明しました。

 

この時、時刻は6時15分。

これらのパーツは普及品ではあるもののそこそこ特殊で、欲しい物全部は秋葉原の専門店まで行かなければ手に入りません。地元の家電量販店での入手は難しく、録音前日では当然通販も間に合わない。

秋葉原のショップは7時半には閉まる。所要時間は電車1時間、車も下道で1時間、高速使うと……35分。着いてから店まで急いで向かって5分。

……10分以内に車で出発すれば間に合う。

 

迷っている時間はありません。

「現状の確認作業は中断。5分でここを出て秋葉原に向かう。準備を」

片付けもそこそこに家を飛び出して車に乗り込み、高速に向かいます。

幸い道は空いており、まずまずの時間を残してショップに到着。

今度こそ何かあっても良いように、余裕をみてパーツを大量に買い込みました。ケーブル、延長、両凸接続、分岐ジャック。現地行き高速バス片道分位の出費となりましたが、これで懸念事項は解消のはず。

 

もうあとは帰って荷造りし、朝一で東京駅に向かう準備だけです。

「せっかく…秋葉原まで来たのにこれだけで帰るの…何か他に見られるものとか…」

「帰って寝てください」

「はい…」

 

とんぼ返りからのスーツケースにすべての機材を詰め込み、玄関に置いて布団に入ります。

出発は朝6時。

 

ここまであまりにも突貫工事での対処。アシスタントやメンバーの協力でなんとかここまで来たが、本当に全て上手く機能してくれるのか。

初めて会う方も多いであろう関西の皆さんとちゃんとコミュニケーションとって問題なく進められるのか。ここまでのやり取りの綱渡りからするとまだ何か問題が隠れているのではないか…。

(あのケーブルは忘れず入れたはず…ジャック本数、コード長の計算は今度こそ合ってるはず…)

布団に潜ってじっとしていても、頭の中で確認が止まりません。

 

長年の希望が叶ったレコーディングを楽しみにしている余裕など全然ない。

わざわざ関西まで呼んでもらっている以上、絶対失敗出来ない。

怖い。

眠れない。

怖い。

 

一度だけ意識が落ちたのが、約1時間。すぐに出発時間はやってきました。