ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

毎日更新されたりされなかったりする日記

Maison Book Girlライブの音響と空間の話

あけましておめでとうございます。1月も3週目となりましたね。

年末はコミケでブログどころではなく、先週は仕事始めでブログどころではありませんでした。

もう自分でやると公言しないと書かない気がしたので、またTwitterの投票機能で決めてもらいました。べんり。

投票してくれた皆様、ありがとうございます。

結果的に100票以上の回答を頂きビビりました。適当にイキった評論とかもう書けない。

尚今回1位となった選択肢は「Maison Book Girlライブ音響について」。一緒にライブに参加したメンバーが組織票を入れているものの、その票数は実際の獲得数の半数以下。かなりの数が私の観測範囲外から投票されている事がわかりました。

詳細不明のブクガ推し第3勢力。

誰だ入れてるの…怖…ありがとう…

そういうわけで。

1/5に開催されたMaison book girlのライブに行ってきました。初参加。

会場はこんな感じ。 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

ライブ演目そのものの内容や感想に関してはガチな感じの考察とかがいろいろ出てるので、そちらにお任せします。というか、今回は多少の予習程度ではどうしようもない位の情報量アタックをもらったので、私が理解できている事はあまり多くありません。

多少分かる事だけ言ってホームグラウンドに引きこもろうかと思います。

まずはライブ見たメンバーから出てた音響面の話。

・歌詞の聞き取り

席にもよるが、5000Hz以上を上げれば多分もっと聴き取りやすかっただろうとは思う。ただ、その辺りを上げていくと今度はどんどん耳に痛い音が増えていくので長時間聴くのが辛くなる。ましてや今回の様に「ずっと休まず聴き続ける」(後述)構成の場合、聴く側の疲労もかなり増すだろうな、と感じた。

全体的な音はワンフロアのライブハウスやアリーナより遥かに耳にやさしいライブだった。聴力低下怖くて耳栓準備してライブ行く勢なのでとてもうれしい。

・情報が途切れない。

本当に途切れない。始めから終わりまでポケモンショックだらけ(歳がバレる)みたいな、非常に刺激が強い演出が多い上、曲間も殆ど無く全編ノンストップ。曲によってはすごい刺激の強いストロボとかをガンガン浴びせてくる。舞台そのものの構成も明暗のコントラストが強め。でも目をそらすと情報が本当に得られないので見続けてしまう。

部屋を明るくしてテレビから離れて見る様教育された世代には凄まじい洗礼。オタクよ、これがライブだ。

正直に言うと、最後の方で頭がクラクラして一時期意識が落ちた。大事な所を見逃した感じでくやしい。

・低音が強い/強すぎる

強すぎると感じた人と強くて丁度良いと感じた人と居た模様。自分は後者。多分席によるんだろう。明らかに10Hz以下の可聴音域外を響かせられる大質量のスピーカーが存在している。これは最早細かい性能がどうとかでなく、ただただ純粋にスピーカーそのものの規模と、それを活かしきれる空間の性質がないと、この「周りの空気ごと体を押される」様な重みは実現し得ない。(「風の音がリアルだった」という証言もあったが自分の席ではそこまで聴こえなかった。これもスピーカー自体の表現力を要求する)

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今回の会場で鳴っている音について感じたのは、空間の特性と出している音の噛み合いの良さでした。 規模と余裕を感じるPAと、キッチリ振動を逃さずソリッド感を維持できる空間、そしてアイドルグループ系統の中でもシンプルな音作りや明確なパン振りの多いブクガ曲の特性が良く合っています。特にパン振りはかなり「楽器の位置情報を曲の情報として組み込む」事をしているので、それがPAメインのライブでもしっかり反映されている事に驚く声も聞かれました。(もっと曲ごとにお話出来れば良いものの、当時の情報密度が凄くて何がどうだったかという具体的な話が出来ない)

会場は規模の割にかなりドライで響きを吸収するタイプの空間です。座席の配置こそコンサートホール的な印象ですが、残響空間としてはよく出来た大規模ライブハウスみたいな感じ。クラシック系の「コンサート」の低音よりも、ポップスの「ライブ」の低音が締まって聴こえる様に設計されています。

さて、これを踏まえて、このライブ、マスタリングエンジニア的に「絶対に生で見たい」と感じた一点がありました。

それは、「rooms_」サビの、無音を挟む部分。 完全無音から息を吸う音、爆音のサビ、そしてまた無音。暗闇/閃光の舞台と共に演出されたこのストップアンドダッシュの強力さは、そしてキレは、今回のライブ以外でそうそう再現し得ないでしょう。

あの瞬間、あの静寂と爆音の変化率こそが、“非日常”として準備されたライブにのみ許された最高の演出です。

残響を残さず低音までしっかり受け止めるソリッドな空間で、PA完結ゆえ生オケでの楽器に残る鳴りすらも残らない。この環境が先に条件としてあった事を考えると、今回の一致は偶然であり、幸運な噛み合わせだったのでしょう。

市販されているマスター音源というのは音量の上限が規定されていて、そこに合わせて聞きやすい様に調整されています。音楽的な表現が失われるのを惜しいと感じながらも、あえて音量の大小差を少なくして表現の幅を狭めているのです。

ですが、ライブではそういった音量の上限を気にする必要がありません。勿論機材の限界はありますが、音量の「足し算」が出来る世界です。録音編集サイドから見ると、会場に居合わせた人にとって一番の得難い体験は、この最高に贅沢なダイナミックレンジを体験出来た事かも知れない、と思うのです。

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今回はブクガライブ初参加でした。 完売直前に誘われてその場でチケットを取って行きましたが、すごい情報密度でした。全部理解したい。

元々曲が好きで車の中で聴いていたのですが、今回このブログを書くにあたってちゃんとしたヘッドホンで聴き直すと、だいぶ世界が変わりますね。「狭い物語」「長い夜が明けて」「karma」あたりがお気に入り。karmaの方はインストオンリーの音源も好きです。

本当は曲ごと/個人ごとの音にも言及したいんですが、まだ観察が足りていないのでこの辺りはまたの機会に。

それでは。