くものフレンズの話
こんばんは。KJです。
そもそもくものフレンズってなんだよって人はまずこちらを見てください。
見ましたか?
分かりましたね。見ての通り、くものフレンズです。
2017年、シュビの副次的にて初演されたこのメドレーはジャパリパークと東映版スパーダーマンのメドレーとなっています。
「くものフレンズ」という呼称の初出はこの時のヨン様のMCです。
演奏会前夜、ヨン様宅に前泊していたメンバー数名は、ヨン様が舞台上で喋る内容を決めているのを見ました。
「よし。スパイダーマンに一切触れずにいこう」
当日。
「ようこそジャパリパークをフルバージョンでお聴きいただきました」
「途中転調や曲調の大きな変化とかもあって」
「くものフレンズなんかも登場したりして」
「このフルバージョンで聴いたの初めて!という方も居たかも知れませんが」
かくして、本当に最後まで一言も「スパイダーマン」という単語に触れないままステージが締めくくられました。
私個人は次年度の「浄化枠と言われるラス曲に最強◯✕計画をぶち込む」というステージ構成が一番の爆発力だと思っているのですが、ニコニコ全盛期を過ごしたインターネット老人会からは「くものフレンズの方が上」という評価もあり、非常にレベルの高いクソさを提供出来た回と言えるでしょう。
しかしMCはさておいても、この時の演奏パフォーマンスにはメンバー一同納得しておらず、「どっかでリベンジしたい」という気持ちが燻っていました。
そして年も暮れて12月。冬アニメを取り終わる辺りだったと思いますが、いつもの収録後、焼き肉を食べに行った時。
謎のモテ期で演奏会ラッシュの今夏と違い、余裕のあったメンバーは軽いノリで収録を決断しました。曰く
12月最終週?クリスマスだけどどうせみんな暇だろ(断定) リベンジしようぜ!
よりによってクリスマスに何の企画でもCDでもない、再生数も売上も期待できない謎合唱メドレーを録って自己満足するという地獄みたいな企画が立ち上がりました。今思ってもよくわからない。
音響サイドからこの音源の見どころをちょっと紹介します。
動画サイドとか演奏サイドとかはそれはそれで他のブログに書いてあるかも。
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・かみさと 冒頭ソロ
とても良い響き。このソロが出るメンバーは何名かおり、実演奏を含むと数パターン聴いたことあります。よく出るね。
・エス「どぅんどぅくどぅんどぅく」
この音、エスが別々に歌った3テイクが同時に鳴っています。
細かく速いこの箇所は録り始めた時はずれて使い物にならなかったのを、気合と集中力で音程・リズムの精度を引き上げ、数回のリテイクを経て完全に一致させて見せました。
寸分違わぬ再現性にはメンバー内からも驚きの声が上がるほど。
ちなみに編集ファイル上ではこの台詞用のdunduk3からdunduk5っていう名前の3トラックが同時に鳴ってます。
・らっす。「Welcome to the じゃぱりぱーく」
高い上に正確な、らっす。さんの超技巧。全く知らない人間にこの音源を聞かせた時は、「何だよ女声いんじゃん」って言われました。居ないんだなそれが。
この曲中一番気合を入れて空間セッティングを組んだ音です。
この叫び声のためだけに歌とは別録りし、完全専用のトラックとエフェクト構成を敷いています。
なので、この叫んでるヨン様は歌とは全然別の仮想空間に居ることになります。次の曲に移ったけどサバンナに置いていかれたヨン様が一人で叫んでるとか…ごめんなんでもない。
編集している時のイメージはレッド・ツェッペリン「移民の歌」に出てくるシャウトです。分かる人居るかな。
「ここまではなんとか持ってたけどリヴァーブが完璧過ぎて耐えられなかった」
「電車の中で聴くんじゃなかった」
等喜びの声が多数寄せられました。
・「暗闇NEET」
私がちゃんと歌詞を読んでおらず、「くらやみにー」だと思って、危うくニートのT子音をノイズとして処理するとこでした。 歌詞はちゃんと読まないとダメね。
・「change!レオパルドン!」
やっぱうどん!じゃない!という声が聞かれましたがこの音源ではレオパルドンのままです。
「台詞は英語なのになぜか収録にフランス人が来て発音が変なのになった(レオパルドンがリオパルドンっぽくなっている上イントネーションも変)台詞を、忠実に再現して合唱で歌う」徹底ぶり。他全部空耳なのにそのこだわりはなんなの。
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大体録音編集サイドで印象に残っているのはこの辺りですね。台詞やたら多いです。しかも特殊加工のいる台詞。今プロジェクトファイル確認してみたんですが、メインの歌以外のトラックはこんな感じでした。聴いた人は大体どれが何のトラックだかわかると思います。
一日に二曲録る事って結構珍しいのですが、一度演奏会でやっただけあってそこまですごく大きな負荷では無かったように感じます。ひと仕切り完成した音源を聴いたメンバーは大いに満足した表情で言いました。
「これこそが我々の顧客が求めていたものだ。間違いない」
この2曲も演奏された先週末の「おシュし」では
「シュビは自分たちの音楽性を1mmも疑ってない揺るぎなさがある」
という最大限のいいとこ探しをしてくれたのであろう慈悲深いコメントを頂戴しましたが、こういう所だと思います。