ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

毎日更新されたりされなかったりする日記

残響の話

KJです。

残響ってありますよね。

あれです。広い所で音を鳴らした時響くやつです。

今回はこの「響き」の話をしようと思います。

一般の人が人工的な残響を一番認識する機会が多いのは、カラオケのエコーだと思います。

コンソールのつまみを回すと声に響きがついてぼやけてくるあれですね。 歌に自信のない人でも、なんとなく上手くなった様に聴かせてくれる便利な機能です。

音響上では、残響は「リヴァーブ」と呼ばれます。

エコーとリヴァーブは厳密には違う加工を意味しますが、広義には「響き」という意味で同じ使われ方をしていると言っていいでしょう。

この響きは、カラオケの例でもあるように、後から電子的に付け加える事が可能です。 また、この残響加工《リヴァーブ》はイコライザ、コンプレッサ等いくつかのエフェクタと並んで大変重要な立ち位置にあります。

逆に、既に入っている残響を取り除くという事は出来ません。 なので素材は出来るだけ響かない場所で録っておき、後から響きをつけるというアプローチが主となります。

・残響は味の素

私はよく、リヴァーブについて説明する時に「味をまろやかにする調味料」という例えをします。

残響を加えることで、演奏(または収録環境)の粗を隠しやすくなり、悪目立ちを抑えることが出来ます。

しかしその反面、入れれば入れるほど素材の味が前面に出なくなり、どれも似たような音になってしまうという代償もあります。

更に、編集上、音量というものは一定の範囲内に収めなければならず、詰め込める分量が限られています。

なので、通常、マスタリングでは音のいろんな要素をを隙間なく敷き詰めて無駄なく配置するようにしています。

しかしここに残響の成分が追加されると、いろんな音の成分以外に「手前で鳴った音の残響」の分も幅を確保せねばなりません。

必然的に、「前の音の残響」がある分、その後の音は追いやられて小さくなります。

これは先に述べた素材の味についても似たような事が言え、無難だけれども特色の少ない「前の音の残響」が大きくなればなるほど、その後に来る音において、素材の味の割合が小さくなってしまうのです。

これらの理由から、現代の(特にポップス等の)スタジオで作られる音楽では、各要素ごとに最低限のリヴァーブをかける作り方が主流になっています。

尚、最近の音源が最低限のリヴァーブで構成される様になった理由はこれだけではありません。

もともと、音楽をテープで録って、それを実際に刃物で切って編集していた様な時代は、細かな編集というものが出来ませんでした。

そうなると、粗をごまかすにはこう言った「各トラックをミックスした上で最後にかけるリヴァーブ」の様な“大雑把な”処理に頼らざるを得なくなります。

しかし、デジタル技術の発達した現代では各楽器・各パートを高い独立性で収録した上で、更に一瞬一瞬を切り取って細かく編集する事が可能です。

そうなると、今までは「リヴァーブでぼやけさせてごまかす」以外に手段の無かった問題に対して、いろんなアプローチで解決する事が可能です。

技術が進歩してリヴァーブに頼らなくても多種多様な手段で解決が可能になったからこそ、最低限の響きで可能な限りクリアに、という方向性の音作りが可能になったのです。

今回はリヴァーブというものについて、その使われ方と共に説明しました。

シュビ(というか私の収録方式)におけるリヴァーブの話もあるのですが、そっちはそっちで長いのでまたの機会にお話出来ればと想います。それでは。