ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

毎日更新されたりされなかったりする日記

ani×sing収録に行って録音してきた話3

マスター音源完成しました

2回目(前回)

ani×sing収録に行って録音してきた話2 - ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

あらすじ:あにしんのかいしんのいちげきが決まって歌部分を録り終わった。残り30分。

・おやつの台詞パート

このままソロに行きたい所ですが、その前に台詞、(掛け声)の収録があります。

「これはですね、おやつみたいなもんです」

シュビでの経験を踏まえて、収録班が説明します。

台詞収録は歌のような細かい音程やリズムの要求がなく、好きなだけ表現を楽しめます。どんな団体で録っても、非常に楽しい時間です。(この間のシュビ収録では笑いすぎて泣いた)

ただし、思った様に世界観を表せないと、試行錯誤に時間を消費してしまうリスクもあります。

多少警戒しながら録収録に当たりましたが、後半に行くにつれ、私達の心配は杞憂に終わりました。要因は一言。確かに時々引っかかる様な事はあるものの、総じてani×sing女声陣の台詞が意味不明に上手い。

確実に歌より正確に表現が揃っています。すごい。なんだろう。すごい(褒めてる)

一発OKすら結構な率で出て、ギリギリ時間内での着地体制が見えてきました。

ちなみに私の一押しは「言葉で」「せーので」の所です。かわいい。

・秒読みのソロパート

「この『と』の音、ちょっと低い…惜しいなあ他は良いんだけど」

「録り直しますかね」

「こうですか!!?(ピッチ修正)」

「直るの!?じゃあ時間ないしそれで!」

会議室の中には収録の3人とあにしん代表ゆーじろーさん、そしてソリストさんの5人のみ。さっきまで大勢の人が歌っていた広い空間は静まり返り、響くのはソロの声、そして。

「うん、これでいいんじゃないk」

「いや、この前半はいい。良いんだけど後半部分の表現、力の加減を」

終了時間秒読みの中、あまりの素材の良さに思わず拘りを見せる収録メンバー。

収録に参加したあにしん歌い手の皆様は、ノイズを避けるために部屋の外で待機。

この時、時計は19時44分。

会場を使えるのは20時まで。

どんなに全員で協力しても撤収には最低15分必要です。

本来ならとっくに終了から撤収に移る時間ですが、そんな余裕はどこにもなく、しかし全員が集中しています。この時間を無駄には出来ません。

…1分なら削っても撤収を急げばなんとかなる。ただ、それ以上は危ない。

1分削ろう。終わったら14分で撤収まで持っていく。残り時間は……

この数瞬で判断して覚悟を決めます。

「あと2分!録るなら数回は行ける。議論してる暇はない。リテイク可否、10数秒以内に決定して!」

まさか自分がドーラ(※ラピュタの)よりハードな要求を出すことになるとは思いもしませんでした。

最後の1テイクが始まる直前だったと思いますが、頭の回転が限界だったのでしょう。この発言から先は若干記憶が飛び飛びで、あまり詳細に覚えていません。

「よし、OK!」ソロが決まった瞬間。

「入ってきて良いよ」と、収録会場の外に出ていたメンバーを呼び戻した瞬間。

ギリギリまで回し続けた頭がぼんやりします。

(なんとか、間に合った…)

という達成感と安堵感に痺れていて、完成の余韻に浸るまでもなく、どこか他人事の様な頭を働かせて淡々と撤収の手を動かしていました。

我に返ったのは「最後に一回、録ったものを流してもらえませんか?」という要望があった時。

バックアップ用のデータを書き出す時間を考えると、10分強の残り時間に対して8分半に及ぶこのメドレーはあまりにも長い。再生中は書き出し作業が出来ない。本来ならバックアップを優先すべきかもしれない。それでも…。

どうしても、ここにいる全員に「今日の集大成」を味わう達成感を経験してほしい。

収録のために一日費やし、ミスをこと細かに確認・修正しながら歌う相当きつい作業を繰り返した先に、最も報われる瞬間が通し音源を聴く作業だから。

モニター用スピーカー2基をほぼフルパワー。曲のラストともなると相当な大音量になります。普段の生活でなら耳を塞ぎたくなるような音量ですが、一日歌ってこの環境でチェックを繰り返したメンバーに、最早驚く人はいません。

曲を流し終わり、 おっけー!完了!お疲れ様でした!

と、「締め」の空気がしっかり流れた事に安堵しながら、即時バックアップファイルの書き出し作業にかかります。 ソフトとの接続の関係上、PCとインターフェース、電源系統だけ接続を残し、それ以外の配線やスタンド、機材は撤収。私は書き出し作業に手を取られており、参加者の皆さんに最後まで手伝ってもらっての撤収作業でした。

人も機材もほぼ会場からの撤収が完了し、最後に残されたのは私とPC周りの機器(動かせない)だけに。

「あと何分位かかりますか?」

「1分ちょっとかかるのがあと2トラックです!ごめん!」

バックアップを多少簡略化しつつも、最終的には閉場を数分オーバー。

PC周りに配線がつながったままの機材を抱えるようにして会場を飛び出しました。

最後の最後まで時間との戦いで、初の関西収録は幕を閉じました。

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以上、今回の収録風景のまとめでした。

本当に来て良かったんですが、そういう気持ちをようやく余裕を持って確認出来たのは収録終わって遥かあと、打ち上げ会場に着くくらいでした。(収録中はずっと緊張状態で、あまりの余裕の無さに身内からは「ガチで怖いKJを初めて見た」とか言われた)

《練習の記録としてではなく、本気で「最高の音源」を作りに行くレコーディングという行為を知ってもらう》というのが今回の目的だったので、大変な思いはおかけしたものの結果は大成功だと思っています。

音源もつい先程完成しました。殆どこの一ヶ月フルで空き時間に編集してたんですが、なにしろ曲が長いのなんの… ようやく納得行くものが出来たので、ひとまず区切りを迎えることが出来ました。

最後に、参加してくださったani×singメンバーの皆様、録音・音源チェックに至るまで支えてくれた収録サイドメンバー、ここまでの記事を宣伝してくれた皆様、そして私にここまで機会と裁量を与えて作品作りを達成させてくれたあにしん代表のゆーじろーさんに、最大級の感謝を述べたいと思います。 ありがとうございました。