ザ☆シュビドゥヴァーズの日記

毎日更新されたりされなかったりする日記

ani×sing収録に行って録音してきた話1

特になにも書くことを決めずにブログ担当当日を迎えるとクソみたいな記事しか書かないのでせめて前々から準備しようとTwitterのアンケートで決めてもらいました。投票してくれた人ありがとうございます。

今回は6/29に行ったani×sing(あにしん)さん収録の時の話です。

事の始まりは、あにしん代表のU.jiro(以下ゆーじろー)さんが5月末のシュビに参加した事でした。私は兼ねてから中部以西の団体で収録がしたかったのでダメ元でゆーじろーさんにも絡んでいったところ、次の日DMが。

「ご検討ありがとうございます。6/29どうすか」

「(仕事あるけど)行きます」

即答。

・翌日。

私「あにしん大阪収録決定やったー」

はるり「手伝い行きます」

「えっ」

エスティオ「押しかけます」

「えっ」

というわけで録音エンジニア、アシスタント、ディレクターのパーティが組まれました。みんな決断速すぎない?

ここから打ち合わせや機材構成で散々悩むのですが、機材については語っているだけで記事一本分くらいの長さになりそうなのでまた別の機会に。

・当日。

朝の新幹線で収録予定曲バンドリ!メドレー」の譜面を広げて一通り録音を区切れそうな部分やミスで引っかかりそうな部分を最終確認しつつ京都駅、そこから在来線で島本駅へ。そこから車で迎えに来ていただき、会場に着いたのが13時位。 開場、発声練習の間に設営を行いました。

会場は大きめの長方形をした会議室。

前にスクリーン、左側に窓があり、机と椅子がズラッと後ろまで並んでいます。

前方に空調が設置されており常に少し音が発生している事、窓側にカーテンがある事を鑑み、空調から遠い後方を使い、窓を背にして歌う形にしようという事で(カーテンが後ろにあると多少反響を防げる)設営を開始しました。

今回は大人数だけに、私もあまり経験したことのない機材構成。

数十分かけて設営していきます。通し練習をしている横で淡々と配線を組む我々音響陣ですが、ひとつ気になった事がありました。

「ソロうまくね?」

大人数の合唱録音に置いて、ソロ収録はかなりギャンブル性が高い要素です。

一人の技量が大きく影響する上、参加者全員の時間を消費してしまいます。

実際、新幹線の中で行った最終打ち合わせでも、最もハイリスクな時間の一つとなる事を覚悟していました。

(これは…いけるかも)

ソロ収録は途中か最後に。方針が決定しました。

・既にやばい第一セクション

この曲はメドレーで何曲もの曲が内包されており、全部で7つくらいのセクションに分けられます。

今回、はじめのセクションでは時間をかけてレコーディングの手法に慣れてもらおうという方針を固めていました。各セクションを更に細かく区切り、粗のある部分を洗い出してさらに精度を高めていく。丁寧さと根気のいる作業です。

こちらもはじめて担当する歌い手であるあにしんメンバーに合わせ、やり方を調整しながら進めていきます。

セクション中盤。繰り返し演奏して精度を上げていく中、私は強い焦りと苛立ちを覚えていました。

時間を消費している割に思い描いていた完成度に到達しない。何より、慣れていない事もあってか収録のスピード感が想定以上に遅い。

「聴いてみてどこが気になるか」「録り直すかどうか」の判断に時間がかかり、そして録音開始のキューを出すもマイクから離れていたメンバーが歌い出しに間に合わなかったり。

私の焦りが収録慣れしていないメンバーの動きとズレを生じさせ、時間が更に伸びて行きます。それでも、このセクションだけでも精密な完成形を作らなければ、これ以降に進む上での基準が作れません。

この時点で時間は16時半。全体のわずか7分の1の冒頭セクションに、すでに収録時間の4割近くをつぎ込んでいます。流石に時間を心配し始めたあにしんメンバーに

「1セクは時間かける予定だったので!大丈夫、完成度上げてきますよー」

と声をかけながらも、もうどう考えても時間が足りない。

かと言ってこの段階で徒に歌い手にプレッシャーを与えてもパフォーマンスを落としてしまう。

後半のスピードアップに賭けるしかない。もう半分以上ハッタリでした。

これだけの人数に集まってもらって、準備もしてもらい、東京からの長距離移動でここまでたどり着いて…。掛かっているものが大きすぎる。持ち越しは許されない。なにより、悲願だった初の関西収録を中途半端な形で終えるのは絶対に嫌だ。

「では休憩にしましょう」

一通り1セクションの演奏がミスなく録れたところで全体に休憩を入れ、収録チームの2人に向き直りました。歌い手の皆さんと一緒に休憩する余裕などどこにもありません。

演奏に伝染するのを嫌って収録サイドにもネガティブな事を言うのは控えていましたが、ここでは2人に遠慮なく不安を吐き出しました。

今のペースだと完全にアウト。後半の慣れによるスピードアップを見込んでも、かなり分の悪い賭けになりつつある状況。わかりやすく、絶体絶命のピンチです。

さて、こっからどうしよう。

次回に続きます(長過ぎて1回でまとめるのを諦めた)